Education
Undergraduate Education 学部教育
生物資源経済学研究室では,農産物や食料の生産および流通,消費における諸問題や環境問題について,主として経済学や統計学(計量経済学)などの手法を用いつつ,作物学や動物生産学などの自然科学の視点も取り入れながら分析し,国際社会や地域社会における今日的課題に主体的に取り組むために必要な教養やスキルを身につけることができるよう,教育を行っています.
1年次
1年次は,基礎的な生物資源学部の必修科目や資源循環学科の必修科目を履修し,大学で研究を行う上で必要不可欠な教養を身につけます.特に,高校までの勉強と大学での研究の違いについて認識を深め,生物資源学の研究領域について知り,これから専門分野の研究を行う上で何が必要かを明らかにします.
また,学科必修科目である食料・資源経済学Iでは,生物資源学分野で扱う経済学とはどういう学問かについて理解するため,ミクロ経済学や農業経済学の基礎理論を学びます.さらに,国際化社会,情報化社会で生き抜き,活躍するために必要な,英語の読解力やコミュニケーション力,ICT技術のさらなる向上に努めることが推奨されています.
2年次
2年次は,グローカル資源利用学教育コース(以下,グローカルコース)の必修科目を履修しながら,グローカル資源利用学チュートリアル(以下,チュートリアル)により,本コースの分析枠組に対する理解を深めます.
チュートリアルでは,現実社会の問題点を発見する方法や,問題の解決を目指すための分析方法に関するより専門的な知識を習得し,自らの主張をわかりやすく説明し,建設的な議論を行うといったトレーニングを行います.
一方で,グローカルコースの特徴を活かし,作物学や動物生産学などの自然科学の分析枠組に対する理解も深めることで,社会科学を勉強しているだけでは気付かない視点や分析方法を習得することができます.より専門的な方法について勉強する3年次,4年次の前に学術分野横断的な視点を持つことは,卒業論文研究の充実のみならず,社会に出てからも複眼的・独創的な視点で問題の発見・解決に取り組むことができるようになることにつながります.
3年次
3年次は,グローカルコースの必修科目の履修を進めながら,社会調査演習により卒業論文の作成に必要な社会調査や応用経済分析を実践し,卒業論文研究に取り組みはじめます.
社会調査演習では,主として三重県内のフィールドで社会調査を行い,調査で得られた現地の情報やデータを用いて分析を行います.その上で,分析結果や政策提言を報告書にまとめ,調査地での分析結果報告会を行います.社会調査にあたっては,すでに利用できる公刊データなどを用いて調査地に関する予備的分析を行ったり,調査地で実際に農業や水産業の活動に携わっている方のお話をうかがったりすることで,社会調査をより効果的に行い,分析課題をより明確にします.1年かけてこの社会調査演習に取り組むことで,卒業論文の作成に必要なスキルを確実に身につけます.
また,3年次の前期にはグローカルコースの各研究室に所属し,教員の指導のもと卒業論文研究を開始します.生物資源経済学研究室では,社会調査演習での分析をフォローアップするほか,卒業論文研究に必要な水準のミクロ経済学や統計学(計量経済学)の知識を習得することを目的とした指導を行います.また,卒業論文研究を行う上で必要不可欠な,自らの研究テーマに関連するこれまでの研究についてのサーベイ(網羅的な調査)を行い,自分の卒業論文が社会や科学に対してどのような貢献ができるかを検討することで,卒業論文の課題設定をより明確なものにします.
4年次
4年次は,1年を通じて卒業論文研究に取り組みます.生物資源経済学研究室では,定期的な研究相談を行い,卒業論文の完成に向けて研究内容を着実に深めていきます.特に、関連先行研究の探し方や分析方法(より詳細な経済理論,具体的な調査票の設計や調査方法,統計分析および計量経済分析に関するソフトウェアの使用方法などを含む)のアドバイスを丁寧に行います.
なお,生物資源経済学研究室では,各自の進路に沿った柔軟な卒業論文作成計画をサポートしています.公務員試験を受験する学生や民間企業への就職を希望する学生は,卒業論文研究に早めに着手することで,十分な試験勉強時間や就職活動期間を確保することができます.また,大学院(他大学の大学院を含む)へ進学する学生には,入学試験勉強のための時間を考慮した卒業論文作成計画を提案するほか,大学院における研究にスムーズに移行できるよう,研究内容の深化をサポートしたり,研究分野に関連する学会・研究会への参加や,学会・研究会での研究成果発表を支援します.